Prometheus
v3.13.0ObservabilityPrometheus v3.13.0はLTSリリースで、HIGH深刻度の認証情報転送の脆弱性(CVE-2025-4673・CVE-2023-45289)とMEDIUM深刻度のXSS(CVE-2026-44990)への対応を筆頭に、ページネーショントークン、パス解決、PromQL期間関数名、ライセンスファイル配布の4つの破壊的変更、さらに多数の新機能とパフォーマンス改善を含みます。
securityHIGH: クロスホストリダイレクト時に認証情報が転送されなくなった
リダイレクト先のホストが異なる場合、Authorizationヘッダー・Basic認証・Bearerトークン・OAuth2・カスタムヘッダーなどの認証情報が転送されなくなりました。スクレイプ・リモートread/write・アラート送信・サービスディスカバリのいずれも対象です。CVE-2025-4673とCVE-2023-45289として追跡されており、prometheus/commonのv0.68.xからv0.69.0への更新が起因です。クロスホストリダイレクトに依存するエンドポイントがあれば、認証情報がサイレントに落ちることを確認してください。
securityMEDIUM: UI依存ライブラリのXSS修正(CVE-2026-44990)
UIのsanitize-htmlライブラリにXSS脆弱性(CVE-2026-44990)が存在していたため、バージョンを更新して修正しました。設定変更は不要で、v3.13.0へのアップグレードで対処されます。
breakingページネーショントークンのアルゴリズムがSHA-1からSHA-256に変更
ルールグループのページネーショントークン生成がSHA-1からSHA-256に変わりました。旧バージョンで取得したトークンを保持・比較しているクライアントやツールは、アップグレード後に値が変わります。
breaking--http.config.fileの相対パス解決先が変更
--http.config.fileに渡すファイル内の相対パスが、親ディレクトリではなくそのconfigファイル自身のディレクトリを基準に解決されるようになりました。相対パスを使っている場合は、アップグレード後にパスが正しく解決されるか確認してください。
breaking期間表現関数min()/max()がmin_of()/max_of()に改名
experimental-duration-exprフィーチャーフラグを有効にしている場合、PromQLの期間表現関数min()とmax()がmin_of()とmax_of()に改名されました。これらを使用しているクエリやルールを更新してください。
breakingnpm_licenses.tar.bz2を廃止、ライセンスは/assets/third-party-licenses.txtへ移行
リリースtarballおよびコンテナイメージからnpm_licenses.tar.bz2が削除されました。サードパーティnpmライセンス情報はバイナリに埋め込まれ、/assets/third-party-licenses.txtで提供されます。このアーカイブを展開している自動化処理があれば修正が必要です。
主な変更 (8)
- HIGH深刻度: クロスホストリダイレクト時の認証情報転送を停止、CVE-2025-4673・CVE-2023-45289に対応(prometheus/common v0.69.0へ更新)
- MEDIUM深刻度: sanitize-htmlを更新してUIのXSS脆弱性CVE-2026-44990を修正
- 破壊的変更: ルールグループのページネーショントークンがSHA-256に変わり、旧トークンとの互換性なし
- 破壊的変更: --http.config.fileの相対パスが親ディレクトリでなくconfigファイルのディレクトリ基準に変更
- 破壊的変更: 期間表現関数min()/max()がmin_of()/max_of()に改名(experimental-duration-exprフラグ使用時のみ)
- 破壊的変更: npm_licenses.tar.bz2をtarball/イメージから削除、バイナリ内の/assets/third-party-licenses.txtで提供
- 新機能: メトリクス名・ラベル名・ラベル値の実験的APIサーチエンドポイント追加、AWS RDSフィルタリング、Scaleway VPC/IPAM対応、ネイティブヒストグラムのsmoothed/anchored rate、クエリ単位のsamplesRead統計、Azure Monitor Workspace証明書対応、ghcr.ioへのイメージ公開
- パフォーマンス: 大文字小文字を区別しない前置マッチ最大約2倍高速化、チャンク書き込みのサンプル単位オーバーヘッド約12-15%削減、V2ヒストグラムWALデコーダのアロケーション最大50%削減(created-timestamp有効時はメモリ最大10%減); PromQLパニックおよびTSDB破損の複数修正も含む